チームの成果を高める「3つのファンダメンタル」vol.5

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対話 ―― チームの創造性と生産性を高めるカギ


前回の記事では、チームの生産性向上に不可欠な「信頼」について詳しく解説しました。
信頼があることで、メンバー同士が安心して意見を交わし、互いの強みを活かして協力できる環境が整います。

しかし、信頼があるだけでは、チームの創造性やイノベーションは生まれません
信頼を土台として、多様な意見を引き出し、共通理解を深め、最善の解決策を見つけるためには「対話」が必要です。

本記事では、対話の本質と重要性、そしてチームで対話を活性化する具体的な方法について解説します。

1. 対話とは何か?

対話とは、単なる情報交換や議論ではなく、互いの考えを深く理解し、新たな気づきを得るためのプロセスです。

例えば、会議の場で意見が対立したとき、「自分の意見を通す」ことに意識が向いてしまうと、本質的な問題解決にはつながりません。

対話では、「相手の意見の背後にある価値観や経験を知ること」に焦点を当てます。
それによって、より創造的で協力的な解決策を見出すことができるのです。

(1) 対話と議論の違い



2. 対話がチームにもたらすメリット

(1) 誤解や対立を解消し、心理的安全性を高める
対話が不足していると、メンバー同士の意見のすれ違いや誤解が生まれやすくなります。
しかし、対話を通じて「なぜそう考えるのか?」を共有すれば、相互理解が深まり、不要な対立を避けることができます。

例えば、あるチームでAさんが「もっと慎重に進めるべきだ」と主張し、
Bさんが「とにかく早く進めるべきだ」と考えていたとします。

このままでは、慎重派 vs. スピード重視派の対立が起きてしまいます。
しかし、対話を通じて、

Aさん:「以前、似たプロジェクトで大きなトラブルがあったから、慎重に進めるべきだと思っている」
Bさん:「市場の変化が激しく、早くリリースしないと競争に負けてしまう」
といった背景を共有できれば、「リスクを最小限にしながらスピード感を持って進める方法」を模索することができます。

(2) 多様な意見を引き出し、創造的なアイデアを生み出す
対話の場では、メンバーが安心して意見を出せるため、新しいアイデアや革新的な解決策が生まれやすくなります

例えば、ある企業が新商品のアイデアを考えているとき、
トップダウンの会議では「上司が決めたアイデア」に沿った発言しか出てこないかもしれません。

しかし、対話を重視するチームでは、

・「これまでの方法にこだわらず、新しい視点で考えてみよう」
・「一見突飛なアイデアも、一度受け止めてみよう」

といった姿勢があるため、多様な視点からの意見が集まり、より優れたアイデアが生まれるのです。

(3) チームの意思決定の質を高める
対話を通じて、さまざまな視点を踏まえた意思決定ができるようになります。

例えば、新しい施策を決める際に、

・一部のメンバーだけで決定してしまうと、現場の状況とズレが生じる
・対話を通じて現場の声を反映すれば、実行可能性の高い施策になる


という違いが生まれます。

対話を重視するチームでは、決定事項への納得感が高まり、
「自分たちで決めた施策だから、責任を持って取り組もう」という姿勢が生まれるのです。

3. チームで対話を活性化する方法

では、実際にチームで対話を活性化するにはどうすればよいのでしょうか?
以下の3つのアプローチを実践してみましょう。

(1) オープンな質問を投げかける
対話を促すには、Yes/Noで答えられる質問ではなく、オープンな質問をすることが重要です。

✅ 悪い例:「この案で問題ないですか?」(Yes/Noで終わる)
✅ 良い例:「この案について、懸念点や改善点はありますか?」(考えを深める質問)

オープンな質問を使うことで、メンバーの多様な意見を引き出しやすくなります。

(2) アクティブリスニングを実践する
アクティブリスニング(積極的傾聴)とは、
相手の意見をただ聞くだけでなく、「関心を持って理解しようとする姿勢」を示すことです。

・相手の話を途中で遮らず、最後まで聞く
・「なるほど、そういう考え方もあるのですね」と共感を示す
・「つまり、〇〇ということですね?」と要約して確認する


このような姿勢を持つことで、メンバーは「自分の意見が尊重されている」と感じ、対話が深まります

(3) 安全な場を作る
対話を活性化するには、「この場ではどんな意見を言っても大丈夫」という安心感が必要です。

例えば、

・「どんな意見も、一度受け止める」
・「否定から入らず、まずは『それは面白い視点ですね』と肯定する」
・「失敗を責めず、学びの機会として捉える」

といった文化を作ることで、メンバーが積極的に発言できる環境が生まれます。

4. まとめ

・対話は、単なる議論や情報交換ではなく、互いの理解を深め、新しい価値を生み出すプロセス
・対話が活発なチームでは、誤解や対立が減り、創造的なアイデアが生まれやすくなる
・オープンな質問・アクティブリスニング・安全な場作りが、対話を活性化するポイント

次回の記事では、「3つのファンダメンタル(ビジョン・信頼・対話)」の相乗効果について解説します。
お楽しみに!

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