嫌いな人は、嫌いなままでいい

嫌いな人は、嫌いなままでいい

―― 成熟したチームビルディングの新常識 ――


「チームビルディング」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか?

「お互いをもっと好きになる」「仲良くなる」「価値観を共有する」――。
こうした“仲良しチーム”像が語られることは少なくありません。実際、チームの雰囲気を良くする取り組みは重要です。けれど、だからといって「嫌いな人を好きになること」がチームビルディングの目的ではありません。

むしろ、こう言いたいのです。
“嫌いな人は、嫌いなままでいい。”

“仲良くなること”はゴールではない


職場には、自分とは合わない人、考え方や振る舞いが苦手な人がいるのが普通です。
それを無理に「好きになろう」とすることは、自分の正直な感情にフタをして、かえって不自然な関係性をつくってしまいます。

本当に目指すべきは、「お互いが好きであること」ではなく、「違いがあっても、信頼し合い、協働できる関係性」です。

“嫌い”を認めると、チームに余白が生まれる


「この人、ちょっと苦手かもしれない」
「どうしても言い方が引っかかる」

そんな感情を無理に抑え込むのではなく、まずは自分の感じ方をそのまま認めること。
それでも対話し、仕事を進めていく。そのプロセスにこそ、成熟したチームの姿があります。

心理的安全性とは、「みんなが仲良しであること」ではなく、「違いがあることを前提に、安心して言いたいことが言える場」であることなのです。

LEGO® SERIOUS PLAY®に見る“嫌いでもつながれる”方法


LEGO® SERIOUS PLAY®のワークショップをしていると、こんな瞬間に出会うことがあります。

意見が対立している二人が、それぞれの“モデル”を通じて語ることで、互いの立場や背景が見えてくる。すると、感情的には相容れなくても、「この人はこういう考えなんだ」と認知できる関係が生まれます。

それは、「好きになる」のとは違う。
“嫌いでも、対話できる”。この状態こそ、プロフェッショナルなチームに必要な基盤です。

多様性を活かすとは、「違いを受け入れる」ことではない


昨今よく語られる「ダイバーシティ&インクルージョン」も、「全員が理解し合う」「心が通じ合う」ことをゴールにしてしまうと、かえって本質を見失います。

多様性とは、「違うままで、共にあること」
つまり、“好き嫌い”を超えてつながる能力こそが、組織の未来をつくるのです。

嫌いなままでいい。でも、無視はしない。


嫌いな人を、無理に好きになる必要はありません。でも、その人の存在を無視したり、関係を断絶したりするのは違います。

違いを抱えたまま、対話し続ける。
感情と役割を切り分け、目的に向かって共に動く。それが、成熟したチームの“しなやかな強さ”です。

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