会議の質を高める3つのポイント①

こんにちは、ローレンス佐藤です。
前回の『「チームがつながるとき」― 田中誠一の逆転劇』第8話では、田中誠一たちが個々の意見をまとめ、チーム全員で「私たちのビジョン」を形にしていく様子が描かれていました。このプロセスは、会議における目的や進行の明確化の重要性を教えてくれます。今回は、特に「会議の目的を明確にする」ことを深掘りし、実践的なポイントをお伝えします。

ポイント1: 会議の目的を明確にする

会議が無駄になる最大の原因は、何を目的に集まっているのかが曖昧なことです。目的が曖昧な会議では、議論が広がりすぎたり、結論が出なかったりすることが多くあります。
そのためには、まず会議の種類を明確にすることが重要です。会議には以下の5つの種類があり、どれに該当するかを明確にするだけでも目的が絞り込まれ、議論が的確になります。

会議の5つの種類(参考:「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」(園部浩司、かんき出版))
1. 報告・連絡型:
朝会や部会など、情報を共有することが主な目的の会議です。参加者は情報を正確に受け取り、必要に応じて質問をする場として機能します。
* 例: 部門の売上報告、新しい方針の伝達。

2. 進捗確認型:
プロジェクトや営業の進捗を共有し、問題点を洗い出す会議です。進行状況を把握し、次のステップを確認するのが目的です。
* 例: プロジェクトのマイルストーン確認、営業目標の進捗チェック。

3. 説明会型:
新しい制度やシステム導入などを参加者に説明する会議です。この場合、目的は理解を促進し、参加者の疑問を解消することです。
* 例: 新人事制度の説明、システム導入の概要説明。

4. 意思決定型:
経営会議や取締役会など、具体的な意思決定を行う会議です。議論を経て、結論を出し、次のアクションを決めることが求められます。
* 例: 新規事業の採択、予算案の承認。

5. 問題発見・解決型:
戦略会議や改善活動など、課題を発見し、それを解決する方法を検討するための会議です。このタイプの会議では、特に議論の進行を管理するファシリテーターの役割が重要になります。
* 例: 組織の課題解決、業務プロセスの改善。

問題発見・解決型会議におけるファシリテーターの重要性
特に5の「問題発見・解決型」の会議では、議論が多方面に広がりやすいため、ファシリテーターの存在が不可欠です。ファシリテーターは、参加者全員の意見を引き出し、議論を整理し、結論へと導く役割を果たします。具体的には以下のような活動を行います。

* 目的とルールの明確化:
会議の冒頭で目的や進行ルールを説明し、全員が同じ方向性を共有できるようにします。

* 発言機会の均等化:
一部の人に議論が偏らないよう、全員の意見を引き出します。具体的には、「〇〇さん、この点についてどう思いますか?」と声をかけるなどです。

* 議論の整理と可視化:
ホワイトボードや付箋、あるいはLEGO® SERIOUS PLAY®のようにレゴ®ブロックを活用して3次元で可視化する方法などを使い、議論の内容を整理・見える化します。これにより、全員が現状を把握しやすくなるだけでなく、複雑なアイデアを具体的で共有可能な形に落とし込むことができます。

* 結論の明確化:
会議の最後に議論をまとめ、次のステップを明確にすることで、会議が行動につながるようサポートします。

小説の中で、新井が田中たちの議論を促進し、個々のアイデアを「私たちのビジョン」へと集約していったプロセスは、まさにファシリテーターの存在価値を示しています。問題発見・解決型の会議では、このようなファシリテーションが成功の鍵となります。

まとめ: 会議の目的を正しく定めることが成功の第一歩
会議の種類を特定し、目的を明確にすることは、質の高い会議を実現するための第一歩です。そして、特に課題発見や解決を目指す会議では、ファシリテーターが議論を効果的に進める役割を果たします。

次回の小説『「チームがつながるとき」― 田中誠一の逆転劇』第9話では、田中たちがこの「ビジョン」を実際の行動に落とし込み、チームの変化がさらに加速していく様子が描かれます。彼らがどのようにして新しい挑戦に向き合うのか、ぜひお楽しみに!

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