2024/12/06
先週金曜日のブログ記事「会議の質を高める3つのポイント①」では、会議の目的を明確にする重要性について解説しました。その中で、会議を5つの種類(報告・連絡、進捗確認、説明会、意思決定、問題発見・解決)に分けて整理する方法や、特に問題発見・解決型会議におけるファシリテーターの役割を紹介しました。 また、前回配信した小説「チームがつながるとき」第9話では、田中誠一たちが「私たちのビジョン」を行動に落とし込み、チーム全体が一歩前進する様子が描かれました。この物語からもわかるように、会議はただの話し合いではなく、チームを動かすエンジンになるべきものです。 今回は、「会議の質を高める3つのポイント」の第2弾として、全員が発言できる場をつくる方法について具体的にお伝えします。 ポイント2: 全員が発言できる場をつくる 会議において、一部の人だけが話し、他の参加者がほとんど発言しない状況を見たことはありませんか? こうした状況では、会議の成果は限定的になり、チーム全体の力を十分に引き出せません。全員が発言することで初めて、多様な視点が集まり、新たなアイデアや解決策が生まれます。 では、どのようにすれば全員が安心して意見を言える場をつくることができるのでしょうか? 以下の3つのステップを参考にしてみてください。 ステップ1: 心理的安全性を確保する 心理的安全性とは、チームの中で「自分の意見を言っても否定されない」「ミスをしても責められない」と感じられる状態です。これを高めるためには、以下のアプローチが有効です。 他者の意見を尊重する姿勢を示す: 発言に対して否定的なリアクションをせず、「なるほど、そういう考え方もありますね」とポジティブなコメントを心がけましょう。 少数意見や異なる視点を歓迎する: 多様な視点を取り入れることが会議の質を高める鍵です。「それは面白い視点ですね、もう少し詳しく聞かせてください」と促すことで、安心感を生み出します。 アイスブレイクを取り入れる: 会議の冒頭に軽い話題を振るなどして、参加者の緊張をほぐします。 ステップ2: 全員に役割を与える 人は役割を与えられることで、主体的に関与しやすくなります。以下のように役割を分担することで、全員が会議に貢献しやすくなります。 タイムキーパー: 時間配分を管理する役割。 議事録係: 会議内容を記録し、後で共有する役割。 意見まとめ役: 出された意見を整理し、次の議論につなげる役割。 これにより、一人ひとりが会議における「自分の役割」を意識し、参加意識が高まります。 ステップ3: 発言を促す工夫をする 発言をしやすい雰囲気をつくるためには、ファシリテーターや進行役が以下の工夫を取り入れることが重要です。 ラウンド形式で意見を聞く: 「全員に1分ずつ話してもらいましょう」といった形式で、順番に発言を促します。 具体的な質問を投げかける: 「この問題について、何か気になる点はありますか?」といった、具体的な対象についてオープンクエスチョンを使うことで、意見が出やすくなります。 視覚的なツールを活用する: ホワイトボードや付箋、LEGO® SERIOUS PLAY®のようなツールを使って、議論の内容を可視化します。特にLEGO® SERIOUS PLAY®を使うと、言葉では表現しにくいアイデアを形にすることができ、参加者全員が平等に意見を共有できます。 まとめ: 全員が発言できる場がチームを強くする 全員が安心して意見を言える場をつくることで、会議は単なる「話し合いの場」から、チーム全体が力を発揮できる「創造の場」へと変わります。心理的安全性の確保、役割の分担、発言を促す工夫を取り入れながら、次回の会議でぜひ実践してみてください。 来週金曜日は、「会議の質を高める3つのポイント③」をお届けします。次回は、結論を行動に結びつける方法について解説し、会議を成果につなげるための具体的なステップをご紹介します。また、来週火曜日配信の小説「チームがつながるとき—田中誠一の逆転劇」第10話もお楽しみに!