2024/12/13
前回の解説記事では、会議の質を高めるためのポイント②として「全員が発言できる場をつくる」方法を解説しました。今回は、シリーズの最終回として「会議の結論を行動に結びつける方法」をお伝えします。 小説「チームがつながるとき」第10話では、田中のチームが共有ビジョンを活かしてプロジェクトを成功させ、信頼と成果を築く姿が描かれていました。この物語の中で、チーム全員が役割を果たし、結論を行動に落とし込むことで、困難なプロジェクトを高い品質で完了させることができました。 同じように、会議の結論を行動に結びつけることで、チームや組織に具体的な成果をもたらすことができます。
ポイント3: 会議の結論を行動に結びつける
会議の結論が行動に繋がらなければ、どれだけ議論が盛り上がっても意味がありません。結論を行動に移すためには、以下の3つのステップが重要です。 ステップ1: 行動計画を具体的に定める 会議の最後に、具体的な行動計画を明確にしましょう。曖昧な結論ではなく、「誰が」「何を」「いつまでに」行うかを明確にすることが鍵です。 例: NG: 「次回までに進捗を確認する」 OK: 「田中さんが次回会議までにクライアント提案書を作成し、全員でレビューする」 ポイント: アクションアイテムは一つひとつ明確にし、タスクが重複しないよう注意します。 進行役がまとめ役となり、行動計画を口頭で確認しながら記録に残します。 ステップ2: 結論を全員で共有する 結論が全員に共有されていなければ、行動は統一されません。会議の終了前に、決定事項を全員で確認し、合意を得るプロセスを取りましょう。 具体的な方法: 決定事項をホワイトボードやデジタルツールに書き出し、その場で確認する。 「これで全員一致していますね」と、確認の問いかけを行う。 小説第10話でも、田中のチームはプロジェクトの目標や課題を全員で共有し、各自の役割を明確にしていました。この「全員での合意形成」が、チームの結束力を高めるポイントです。 また、ここで重要なポイントは、参加者側は、できるだけ請け負う行動を減らしたい、責任を負うことを避けたいという動機が働きがちで、決定事項の明確化には消極的だったり、場合によってはアクションや責任のなすりつけあいが生じることがあります。この時、ファシリテーターは場の雰囲気に流されず、毅然とした態度で、誰が何をやるのかを徹底的に明確にし、確認する必要があります。ここでファシリテーターが消極的な態度やあいまいな態度を取ってしまうと、決定事項自体があいまいになり、行動に移されなくなってしまいます。決定事項を完全に明確化して、確認を得るのはファシリテーターの重要な役割になります。 ステップ3: フォローアップの仕組みを作る 会議の成果を持続的に行動に結びつけるためには、フォローアップの仕組みが必要です。特に、進捗の確認や結果の振り返りを定期的に行うことが重要です。 例: 会議後、決定事項をメールや共有ツールで全員に送付する。 次回会議で進捗を確認するための時間を設ける。 田中のチームの場合: プロジェクトの進行中、中村が課題を一覧化し、優先順位を整理していました。このような進捗管理が、スムーズなプロジェクト推進の鍵となります。 まとめ: 行動が成果を生む 「会議の質=仕事の質」といわれるように、会議の結論が行動に結びつくことで、チームや組織に成果をもたらします。 今回ご紹介した3つのステップ: ①行動計画を具体的に定める ②結論を全員で共有する ③フォローアップの仕組みを作る これらを取り入れることで、会議の成果を確実に行動に繋げることができます。 小説「チームがつながるとき」第10話では、田中が気づいた「ファシリテーターとしての役割」こそが、チーム全員の力を引き出す鍵となりました。次回(火曜日)の最終話では、さらに大きな挑戦に挑む田中たちが、これまでの経験をどう活かしていくのかが描かれます。彼らの成長と新たな挑戦の行方を、ぜひお楽しみに! また、次回の解説記事(金曜日)では、これまでの「会議の質を高める3つのポイント」を総括し、より実践的なアドバイスをお届けします。どうぞお見逃しなく!