2024/12/20
これまでの解説記事シリーズでは、「会議の質を高める3つのポイント」として以下のテーマをお伝えしてきました。 1. 会議の目的を明確にする 2. 全員が発言できる場をつくる 3. 会議の結論を行動に結びつける そして、小説「チームがつながるとき」では、田中誠一たちの成長を通して、これらのポイントがどのように実践され、成果を生むのかを物語として描きました。最終話では、田中のチームがさらなる挑戦を成功させ、信頼と対話を土台にした新たな組織文化を築き上げた姿が描かれていました。今回は、この物語を振り返りながら、シリーズを総括します。
1. 会議の目的を明確にする: チームの羅針盤
第1のポイントでは、会議の目的を明確にすることの重要性を解説しました。田中たちのチームは「私たちのビジョン」という共通の目標を持つことで、会議の方向性が揺らぐことなく進むことができました。目的が明確であれば、会議がただの「集まり」ではなく、行動につながる場になります。 <実践ポイント> 会議の種類を特定する: 報告・連絡、進捗確認、意思決定、問題発見・解決など、目的に応じた進行方法を選択する。 共通のゴールを設定する: 参加者全員が「会議の終わりに何を達成すべきか」を共有する。 田中が新たな挑戦に挑む際、「私たちのビジョン」を基盤にチームを導いたように、会議もまた目指すべきゴールを明確に定めることが成功の鍵です。
2. 全員が発言できる場をつくる: 対話の力を引き出す
第2のポイントでは、全員が意見を共有できる環境を整えることをお話ししました。田中のチームが、プロジェクトの困難に直面したときに全員で課題を共有し、それぞれの強みを活かして乗り越えたのは、心理的安全性が確保されていたからです。 <実践ポイント> 心理的安全性を高める: 少数意見や異なる視点を歓迎し、全員が安心して意見を言える雰囲気を作る。 発言を促す工夫: ラウンド形式や視覚ツール(ホワイトボードやLEGO® SERIOUS PLAY®など)を活用して、全員の意見を引き出す。 役割分担: タイムキーパーや議事録係など、会議に関与する役割を与えることで参加意識を高める。 田中が自らの役割を「ファシリテーター」として捉え直し、チーム全体を支える存在となったように、対話を促進する仕組みを取り入れることで会議は一層活性化します。
3. 会議の結論を行動に結びつける: 結果を生む会議へ
最後のポイントでは、会議の結論を行動に結びつけることの重要性を取り上げました。田中たちが複雑なプロジェクトを成功させた背景には、全員が「何をすべきか」を具体的に理解し、それを確実に実行に移したことがありました。 <実践ポイント> 具体的な行動計画を立てる: 「誰が」「何を」「いつまでに」を明確にし、アクションアイテムを設定する。 フォローアップの仕組みをつくる: 会議後の進捗確認や振り返りを定期的に行い、行動が成果につながるサイクルを作る。 結論の共有: 決定事項を全員で確認し、合意形成を徹底する。 田中のチームがプロジェクトを成功に導いたのは、結論を全員で共有し、具体的な行動へとつなげるプロセスを確立したからです。
会議がチームをつなぐ力に変わる 「チームがつながるとき」の物語を通して、田中たちがどのように変化し、成果を生み出していったかをご覧いただきました。このプロセスは、どのチームにも応用できる普遍的な方法です。特に、目的の明確化、全員参加、結論の行動化という3つのポイントを押さえることで、会議の質は劇的に向上します。 田中のように、「ファシリテーター」としての意識を持ち、チーム全員が力を発揮できる環境を整えることが、これからのリーダーに求められる役割です。 次のステップへ これまでの3つのポイントを読んで、皆さんのチームや会議に活用できる具体的なヒントは見つかったでしょうか? ぜひ次回の会議で試してみてください。そして、もしファシリテーションについて「もっと深く学びたい」「自分の組織にどう適用できるか知りたい」という方は、私までご相談ください。 会議はただの話し合いではなく、チームをつなぐ力を生む場です。 田中たちが新たな挑戦に向かって進んでいったように、あなたのチームも次の一歩を踏み出してみませんか? ________________________________________ 2024年のメルマガは今回で最後となります。 今年も一年お付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。 どうぞ年末はゆっくりお過ごしいただいて、2025年に向けての英気を養ってください。 皆さまが良いお年を迎えられることを願っております。 また来年も何卒よろしくお願いいたします。 ローレンス佐藤